はじめに

新型コロナウイルスで、臨時休業を検討する店舗経営者も、『では今何をしなければならないか?』が不明で、とても不安な心境だと思います。経済産業省から創設された持続化給付金の最新情報は小出しに発表されますが、その制度の全容を知らなければ、理解が深まりません。

 

そこで、現役社会保険労務士行政書士である当職が、膨大なガイドライン/Q&Aを読み込み、「今すべきこと」をコンパクトにまとめました。

 

当事務所顧問先には、ひとまずこれで理解と安心を頂きました自負がありますので、広く一般に公開します。鳥取県に限定するわけではありませんが、鳥取というキーワードを入れておかないと、誰からも検索されませんので…。

 

国からの情報公開はタイムリーで難解ですが、とりあえずこれさえ抑えれば何とかなるでしょう。

各制度の守備範囲

まず制度の守備範囲を確認しておきましょう。今回は@雇用調整助成金、A持続化給付金、B特別融資の三本柱です。

 

@ まず、休業中の従業員の給与を補償し、事業再開したときに、再度働いて頂く必要があります。しかし、当然売上はありませんから、その資金は通常ありません。これを国が最大90%助成するのが「雇用調整助成金」です。

 

A 次に、雇用調整助成金は従業員への休業補償で、会社から見れば右から左に流れていくだけなので、別途会社を助ける必要があります。それが「持続化給付金」です。給付額は最大200万円と一見少ないように見えますが、売上補填ではなく利益分と見ることができれば、大きな給付金です。

 

B 最後に、助成金や給付金は、条件を満たした後での申請ですので、当然それまでに資金ショートが心配されますので、前もったキャッシュが必要です。そのための無利子無担保の「特別融資」です。「返すの?」という声もありますが、助成金が全て支給された後に、そのまま返済すればよいのです。

 

この三点を理解して、それぞれの解説をご覧ください。それぞれのサイトの終わりに、各制度へのリンクを用意していますので、諦めずに最後までご覧くださいね。

 

支給要件について

経済要件

前年2019年より、生産指標(売上高など)が月単位で5割を下回れば対象となるようです。
2019年のどの月と比較してもよい方針ですので、同月比で給付額が最も高額になるものを自由に選択できます。
低額でも緊急に必要であればすぐにでも申請、少し余裕があるのであれば、給付額が高くなるまで待ってもよいでしょう。

 

業種要件

幅広く認める方向ですが、4月27日速報版にて、一部の風俗営業は除外されてしまいました。

給付額の上限について

給付額の上限は、法人200万円、個人事業主100万円とされています。

給付金額の計算方法について

詳細は検討中ですが、2019年の売上を基準にして、2020年中の売上が50%以上減少した月の売上から計算することを基本とする予定です。

【計算式】
給付額=(前年の総売上)−(前年同月比△50%月の売上×12ヵ月
※4月27日速報版で、前期決算の総売上を用いることが決定しました!

これではイメージできないので、時系列で計算例を見てみましょう。

 

 


上図では、2019年総売上が600万円、本年4月の売上が34万円で50%を下回っています。これを先ほどの計算式で算定してみましょう。

【計算例】
600万円−(34万円×12ヵ月)=192万円

こういった制度ですが、どうでしょうか。イメージできましたでしょうか。

 


解析(シミュレーション)は後で記載しますが、この式の特性上、50%減少月の売上が2019年の月平均を超えると、ゼロ算定になりますので、同じ総売上でも下図のようなカーブがある会社は、気を付ける必要があります。

 

 

この場合、翌月以降で検討することになりますので、とりあえず安心してください。

 


定かではありませんが、会見では、2019年のどの月と比較してもよい方針を出しました。資金繰りに若干余裕があれば、2019年と比べてみて、給付金が最も高くなる月まで待つこともできます。。

 

計算式の解析

この式を読み解くと、自粛休業で売上がゼロであれば、2019年の売上総額を給付してくれる主旨ですが、当然上限があるというものです。

 

少し、多角的に分析してみましょう。

 

@ 給付金がもらえないデッドラインは、式から当然2019年の月平均額となります。
A 給付金MAXの200万円を受給できる△50%月の売上は[χ=(売上−200)÷12]となります。

 

これと売上高との相関を以下に図化してみましょう。

 

 

実際の給付額の試算は、不確定要素が複数あるので、すべてのケースの解析図は掲載できませんが、パーセントを導くため、計算しやすい総売上1000万円でみてみましょう。

 

 

決して、200万円を目指すために売上を調整する主旨ではありませんが、感染リスクを推して営業を続けることと、思いきって休業しても、200万円が補填されるという考え方と捉えてください。

 

「200万円の給付金なんて足りないよ!」と言われる社長もあろうかと思いますが、よく考えてください。この200万円は売上と違い、出て行くことはないお金なので、言わば利益分と考えられます。営業利益率は20%あれば超優良企業ですので、下図のように1000万円の会社ではトントンと考えてよいでしょう。ぜひマインドチェンジしてください。

 

 

ちなみに、2018年の中小企業統計では、産業別営業利益率は以下のようになっており、仮に5%としても、上記の1000万円の例では、4年分の利益という考え方もできるでしょう。

 

 

とはいえ、従業員への休業補償も考えなくてはなりませんので、この持続化給付金と別サイトで解説する雇用調整助成金車の両輪と言えるでしょう。

 

 

ここまでは、法人のケースで解説してきましたが「じゃあ個人事業主は?」という声もあるでしょうから、詳細な説明は同様ですので割愛しますが、上記の図2つを差し替えてください。

 

売上高との相関を下図に差し替えてください。

 

 

実際の給付額の試算(割合)を下図に差し替えてください。

 

申請の方法について

迅速な給付とクラスター感染の対策のため電子申請を用いる予定らしいです。とりあえず納得ですね。

 

窓口申請も、どこかに委託するようですが、経験上商工会議所となりそうです。

 

電子申請であれば、円滑で窓口での待ち時間や感染リスクもありませんので、行政書士や中小企業診断士に依頼したほうが、健康面ほかあらゆる観点でよいかもしれません。(決して営業ではありませんよ!)

 

申請書の様式は、さっぱり見当もつきませんが、添付書類は大体の想像がつきます。

@ 昨年の決算書一式(貸借対照表〜個別注記表)
A 昨年の法人税申告書の控え(税務署受付印)
B 昨年の総勘定元帳(売上高のみ)
C 登記簿謄本 → 不要(R2.4.13情報)
D 定款 → 不要(R2.4.13情報)

その他

現在のスケジュール

現在発表されているものでは、4月最終週に方針決定し、5月第1週には申請受付の開始、給付については申請から2週間を目指すということですから、早くても5月の第3週の入金となりそうです。

 

 

創業1年未満の会社への対応

比較対象の2019年データがない会社については、4月27日速報版にて「創業特例」が発表されました。創業特例により平均売上を用いてもよいし、原則どおり比較月の到来まで待って申請してもよいです。「より多く受給したい」あるいは「とにかく早く受給したい」の経営判断でしょう。

 

おわりに

融資が先決!

持続化給付金雇用調整助成金は、正に車の両輪ですので、その両方を申請することになりますが、その特性上、売上がない中で従業員に休業手当を支払ってからの支給申請ですから、資金は当然ショートしてしまいます。今できることは、助成金の準備も重要ですが、特別融資制度の相談に出向いておく(クラスター防止で難しいかも!)ことも忘れずにお願いします。

 

 

持続化給付金の要件確認も重要ですが、すぐに特別融資の段取りも付けてください。

 

 

順番としては、下図のサイクルになるかと思います。

 

 


このサイト自体は、誰もが自由に活用して頂いて結構ですが、ローカルルールもありますので、あくまで[鳥取県仕様]なのです。また、質問に関しては、特設FAXを設けましたので、そちらで受け付けようと思います。

 

ご質問頂きました内容が、広く皆様に伝えるべきものであれば、抽象的な内容を書き換えて、このサイトに掲載することもあることをご了承ください。

 

 

以上、新たに創設された持続化給付金のルールについて、鳥取県の「経営管理の辻元法務事務所」「一般社団法人とっとり経営管理研究所」辻元誠和が責任編集いたしました。鳥取FIGHT!

 

 


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雇用調整助成金のお勧めサイト

 

特別融資のお勧めサイト

 

特別家賃支援給付金のお勧めサイト

 

このサイトを最後まで見て頂きましてありがとうございました。できるだけ短く、分かりやすく解説したつもりですが、もしお客様がこのサイトが有効と思って頂けたのであれば、できるだけ多くの事業所のお役に立ちたいと思っていますので、ぜひ御友人にも、このサイトの存在を教えてあげてくださいね。

 

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