会議・ミーティングを改革しましょう!
とっとり経営管理研究所では鳥取県内の中小会社に対して、効果的な会議手法を提案し、その運用を支援しています。

会議・ミーティングを改革しましょう!

皆様の事業でも会議やミーティングは頻繁に行われているかと思います。
ここで問い掛けですが、その会議やミーティングは効果的に行われ、よい結果を導き出していますでしょうか?
会議の手法や仕組みを整えることによって、会議が生まれ変わることもあります。

 

先人たちが日々研究してきた会議のエッセンスを思い切って取り入れてみてはいかがでしょうか。
そのエッセンスとは要約すると下記のように列挙します。

  • ブレーンストーミング
  • ポストイット(付箋)の活用・時間を決める
  • 夕方の会議は行わない
  • 会議は相談する場ではなく決める場である
  • 同じ意見を歓迎しよう
  • 全員が発言できる場にしよう

以下、重要ポイントについて、会議の改革を提案してみます。もし、自社に合っていると思えば試してみてください。なお、下記の内容は当研究所が会議に関する良本として推奨する「ムダゼロ会議術」からの抜粋または参考にしたものとなっています。

会議の重要性を全員で共有しよう!

誰もが知る巨大IT企業の社長は、朝礼や会議などを重要視していて、遠方の顧客にも直接会いに行って話しをするなど有名です。デジタルな会社のトップが情報共有コミュニケーションで、最もインパクトある技術がアナログな対面会議だと言明していることは実に興味深いです。

 

人間同士が論じ合う会議にはインテリジェンス(知性・情報)が集まりやすいといいます。賢者たちは皆、会議の重要性を認識し、実践しています。会議によってチームの意思疎通が進み、多様な視点から思わぬアイデアや解決策が生み出されます。

 

会議とは、「1人では思い付かない視座と視野の拡大」、「周囲を巻き込む一体感」があり、とても重要なツールなのです。そのためにも「長い」などマイナス要素を改善し、「よい会議」へと導くことが人生においても重要なのです。

議長の役割を今一度考えよう!

議長の役割は「議場の整理」で、会議の秩序を維持しなければなりません。もっと言えば、事がうまく運ぶように整理、舵取りをすること。会議では周囲の意見を引き出して整理し、ゴールに導くことが議長の役割です。

 

また、ミーティング程度の小規模な会議であれば、議長に決定権は必要ありませんが、実際は管理職として発言してしまい、参加者である部下が萎縮してしまっています。

 

ぜひ割り切って、議長の役割に徹してください。その際、人の意見を批判する方があればイエローカードを出すべきですし、一見的外れに見える発言も「なるほど、確かにそういう見方もできるね!」と吸い上げてほしいのです。

 

※ 議長に必要な3大条件
@ 論点を明確にし、幹をズラさない。
A シナリオを常に意識する。
B 最後に結論、NextStepをまとめる。(課題担当者、次回開催日など)

会議の目的ごとに参加者の人選をしよう!

会議には、@決定会議、A拡大会議、B共有会議の3つに分類でき、それぞれ目的に応じた参加者を人選する必要があります。「目的に応じて適切な人」、もっと言えば「目的を遂行できる人」を呼びましょう。

  • 決定会議の目的は、可決か否決かを決めること。そのため、決裁権者を中心に招集しなければならなりません。
  • 拡大会議の目的は、発想の拡大や飛躍。年齢に関わらず、発想力の豊かな人を招集します。決裁権者はアイデアを殺して終いかねないので呼ばない方が懸命です。「拡大会議は雰囲気に時間を投資する」感覚が経営者には必要です。
  • 共有会議の目的は、意思伝達。伝達が必要な関連者全員を参加者させる必要があります。

参加者を絞るようなものですから、事前・事後の共有はデリケートな課題です。対人関係でアツレキを生む原因が共有の欠落で、「それ聞いてないよ」という状況は最悪です。

 

事前(会議前)共有は、「あの件ですが、関係当事者だけで打ち合わせをしておきます。ご多忙かと思いますので結果だけ共有させていただきますね。何かありましたらご意見いただけますか」と口頭で伝え、事後(会議後)共有は、議事録を手渡しましょう。議事録だと「仲間はずれにされていない」感が当人に生まれます。

全体会議では各部署が答えを提案する!

会議にアドバイザーとして参加させて頂いて「歯がゆい」のが全体会議です。そもそも課題は担当部署ごとに割り振られるのが通常なのに、担当部署で考えがまとまっておらず「どうしましょうか?」とノープランのまま議案に載せる場面があります。

 

これに対してアチコチから意見や質問が拡散されるので、その会議で決議されるわけがなく、時間ばかり浪費します。

 

担当部署は事前に部会を開いて「答え」を用意し、「部内で検討した結果、○○としたいが、よろしいでしょうか」と自信をもって提案すべきです。事前に検討しておけば、全体会議の場での質問にも回答できます。

議題にも工夫しよう!

議題があって、その答えを論じるのが会議です。つまり議題は必ず「問い」である必要があります。疑問文「?」であれば答えが出ます。出そうとします。典型的なのが、体現止めや「○○について」という議題(悪い例)ですが、これでは答えの出しようがありません。

会議のゴールを設定しよう!

会議のゴールを決めるとは、終了条件を決めることで、「こうなっなら会議は終了」という到着点が会議のゴールです。会議の4大悩み「時間が長い」、「中身が薄い」、「何も決まらない」、「発言がない」のうち、目に見えて改善しやすいのが「時間が長い」という悩みです。そもそも長い話なんて誰も覚えていないでしょう。

 

会議の開始30秒でゴール(何が終わったら終了か)を宣言しましょう。「この会議は議題が○○すれば終了です。最長1時間ですが○○すれば即座に終わりますので御協力ください。」

 

※ 会議ごとのゴールの例
@ 決定会議…A案かB案、どちらにするか決めたら終了
A 拡大会議…アイデアが10個出たら終了
B 共有会議…関係者に認識・理解させたら終了

何でも発言できる雰囲気を作ろう!

会議の前半は「拡散タイム」、つまりアイデアや意見の拡大など、どんどん意見を出させましょう。この段階では否定をしたり削り込んだりすることは絶対にやめましょう。

 

後半は「収束タイム」、つまり現実的な基準に合わせて絞り込み、ここでは現実的、否定的に意見を出して絞り込んでいきましょう。

 

前半部分は「雰囲気」が重要で、どんどん発言をしてもいい、発言したいという雰囲気をリードしましょう。多様な立場の人が集まれば対立しやすくなりますが、それでも「NO」は後半「収束タイム」まで取っておいて、会議前半「拡散タイム」段階でNOは絶対に言ってはいけないルールを共有する必要があります。

 

それでも意見が出てこない、発言をしない人がいる場合、付箋紙に意見を書いてもらい、一斉に貼り出します。すると誰の影響も受けずに自分の意見を言えます。この付箋紙は強力なツールで、意見が「見える化」されます。

 

後半部分ですが、目一杯拡散された意見や発言は、実はほとんどが使えないガラクタですので、ここでは冷静に絞り込みます。却下された意見についてのフォローも忘れないよう気を付けてください。

会議後の共有が最も大切!

会議室を出た途端、参加者はみんな会議の内容を忘れ去ってしまうことでしょう。参加者の記憶がフレッシュなうちにメールでもベタ打ちでもスマホで撮影した写真だけでもいいので当日中に送りましょう。正式な後世に残る議事録はその後でも充分です。

シナリオとして議事録を先に書いてしまおう!

会議の決定(決議)は未定でも、「こうなればいいな」とか、ある程度の目論見はあって当然です。どうなってしまうか分かりにくい会議でも、シナリオが必要になります。なぜなら、シナリオがあれば軌道修正が効くからです。

 

シナリオを持っていないと「長く薄い会議」になります。日々の会議では時間切れとなって議論がまとまらないことがよくあり、これは、会議を仕切る議長が「落としどころ」を事前に考えていないことに起因します。

 

そこで最上級者のテクニックですが、会議の最後に書く「議事録」を最初に想定して書いてしまいましょう。この意図は「シナリオ」です。だまされたと思って議事録を最初に書いてみてください。驚くほど会議を制圧できることを実感できるはずです。